初めまして!今年3月に入団し、5月からはようやく練習に現地参加できるようになった新入団員の銀色ペンギンです。
地元の音楽団で合唱をやっていたのは小・中学生時代だけなので、もはや経験年数よりブランクの方が圧倒的に長くなってしまいましたが、これから色々思い出しつつ新しい経験を積んでいきたいです。
自分自身も楽しみつつ、聴く方にも楽しんでいただけるよう頑張ります!

 

■合唱祭の話

去る7/1(土)、Chor Cnosinaは去年に続いて東京都合唱祭に出演しました!

曲目は初披露となる、『ONE PIECE FILM RED』より「ウタメドレー」
映画で登場するウタの楽曲7曲を7分間で演奏するメドレーです。目まぐるしく移り変わっていく7曲それぞれの世界観を表現するのが楽しくもあり、難しくもあり……。
編曲は昨年のメドレーに引き続き、当団のピアニストであるぐっちさん!
素敵な編曲をありがとうございます。練習以外でもときどき口ずさんでいます。

そして高校に合唱部や合唱大会・音楽会がなかった私にとっては、ステージに立って観客の前で歌うこと自体が中学生以来!合唱祭やコンクールに出たこともなかったので、ステージの外ではまさに何もかもが初めてです。

友達に付き合ってもらって自分で衣装を決めるのも、
客席で他の団体の合唱を聞くのも、
真剣にその歌とステージの感想を書くのも、
他の団体や先生方から感想をもらうのも、
開演前にプログラムを見ながら同期団員と「あの団体が気になる」、「こっちの団体の選曲が面白い!」と歓談するのも。

そしてこうして団員ブログを書くのも初めてです。最初が大事な合唱祭のブログ担当で大丈夫か?

でも率直に言うと、「何もかも楽しかった!」の一言です。緊張もしましたし、数百人に見られていると思うとその場で固まりそうになる瞬間もありましたが、それでも楽しかった。特にステージで歌っているときの、今、ここでしか感じられないものを届けたいという熱意はこの先もずっと覚えておきたいと思います。

聴きに来てくださった皆様には私たちの歌、そして楽しさが届いたでしょうか?「ウタメドレー」はこれからもライブで披露する予定です。そのたびに今よりもっと、そして新しい楽しさを伝えられるよう、がんばって練習していきます!

来年3月に予定しているChor Gnosina 3rd liveでももちろん歌いますよ!しかもなんと合唱祭のショートバージョンではなく、フルサイズのロングバージョンでのお届けです。ぜひ聴きに来てください!

 

■趣味の話

さて、ここからはブログ恒例の趣味語り。
年に何回かは趣味が変わるので何を書くか非常に迷ったのですが、今1つだけ選ぶならこれ。
古代エジプト、特にエジプト神話です!
学生時代に大阪でやっていた展覧会を見て、そのショップでたまたま目に留まった『図解 エジプトの神々事典』を買って以来、2、3年ごとに再燃している推しジャンルです。精緻な天文学と肥沃なるナイルの恵みの上に築かれた、豊かで、ミステリアスで、ロマン溢れる古代文明!
最大の欠点は公式の供給というのが考古学的発見になるので、なかなか新規情報が出ないところですね。最近はエジプト神話を題材として取り上げた漫画やアニメグッズが増えてきてファンにとっては嬉しい時代ですが、今でも元ネタである神話を詳しく調べるとなると結構ハードルが高いです。何しろ原典を読もうとすると、ヒエログリフ(古代エジプトの聖刻文字)を読む技能が要求されます。
しかしやはりいつかは原典を読みたいもの。この春、念願の古代エジプト語講座を受け始めたのでヒエログリフを読むメリットをご紹介します!あなたも勉強してみませんか?(ダイマ)

メリット1.ヒエログリフが読める!

そのまんまです。博物館や美術館で展示されている古代エジプト文明の出土品、何やらびっしりとヒエログリフが書かれているものも多いですよね?
勉強すれば読めます!!!解説文に書かれていない内容を自分で解読する……ここに大いなるロマンを感じませんか?感じますよね?(威圧)

メリット2.古代エジプトへの理解が深まる!

どの言語の勉強でもそうですが、古代エジプト語の勉強は単語・文法の習得と例文の読解・和訳が中心になります。この例文というのがポイントで、古代エジプトで書かれた文章を題材にするので当時の文化をある程度知っていないと訳しても意味がわからないものがかなり多いです。
例えば実際に講座で取り上げられたある文章を直訳すると、こうなります。
「彼は4つの風を作った。全ての人々が呼吸をするとき(のため)。」
意味がわかりませんね。私もわかりませんでした。これを理解するためには次の知識が必要です。

・「彼」は創造神のことである(これは前後の文脈から推測)
・「4つの風」とは東西南北という全方位からの風を指しており、古代エジプトにおいては世界に満ちる空気を表すことがある。
・古代エジプト語では、「〜すること」、「〜するとき」といった動詞の名詞化が非常によく(現代日本語では不要な場面でも)行われる。

以上を踏まえて意訳すると、
「彼(偉大なる創造神)は我々人間のために空気を作られたのだ。」
くらいの意味になります。古代エジプトの文書ではこのような比喩や回りくどい詩的表現、賛辞などが多用されるため、その感覚を理解しておかないとまともに読めません。神話知識は日常的に会話に登場するので習得必須です。

メリット3.日本語訳が読める!

「古代エジプト語の勉強の話なのに何を言っているんだ」と思った方もいるかもしれませんが、個人的にいま一番感じているメリットはこれです。日本語が読める。
前の段で出てきた例文を思い出してください。直訳すると意味不明で読みにくかったですよね?ですが、あれが一番正しい訳です。研究資料として引用される、最も正確で訳者による解釈が少ない訳し方です。
つまり日本語で読める、古代エジプト研究者による原典の完訳はああいう訳文です。例えば長年古代エジプトファンに復刊を待ち望まれていたこの本
全編にわたってあんな調子です。むしろさっきの例文は古代エジプトテキストとしてはまだ読みやすい部類です。
古代エジプト語を勉強すると、まず直訳した文章と、それを必要な前提知識を踏まえて意訳するとどういう文章になるかを両方勉強することになるので、非常に難解で回りくどくてぎこちない直訳がスムーズに読めるようになります。訳者が何を伝えたいのか、どういう原文だからそういう訳になってしまったのか察せるようになるというわけです。
私は学生時代にウッキウキで上の本を買ってきた身ですが、講座を受けて勉強し始めるまでのn年間で2ページしか読めませんでした。今はもう半分くらい読み終わってます。すごい効果ですね!
皆さんも古代エジプト語、勉強してみませんか?(二度目のダイマ)

 

■古代エジプト美術館訪問記

ある日ブログの題材を考えていてふと思い出した、とある美術館。せっかく古代エジプトで記事を書くなら!と実際に見にいってきました。
古代エジプト好きと言うなら一度は行かなければと思っていた、渋谷の古代エジプト美術館!渋谷という大都会の中心近く、ビルの8階にあるとても小さな美術館です。個人運営の小さな館で、一般来館者が見学できるのは土日の12時から18時のみ。ビルの前まで来ても目立つ看板や案内はなく、ただビルの入り口の入居者一覧には確かに「古代エジプト美術館」と書いてあります。
本当にここで正しいのかと若干戸惑いつつ、エレベーターに乗って8階へ。降りるとすぐ目の前にガラス張りの扉があり、その向こうに異国情緒とアンティーク感あふれる部屋が。扉を開けると、嗅いだことのない花のような香りが漂ってきて、右へ視線を移すと奥に広がる豪奢な部屋が目に飛び込んできます。
古代エジプト美術館の玄関ホール・受付・ミュージアムショップ・待合所を兼ねた部屋だそう。ここにも小さめの展示品がいくつか置かれています。私のエジプト神話最推し神であるトト神の像も!
この部屋で入館料を払って注意事項などの説明を受け、エジプトの歴史を簡単に解説する映像を見たらあとは自由に見て回るという流れです。ちなみに、3部屋あるギャラリーの1つは玄室(古代の墓において棺を安置する部屋)の雰囲気を再現した真っ暗な部屋になっていて、そこの観覧用に懐中電灯を渡されます。手が込んでるなあ。

写真撮影は一部の品を除いてOKということで、あとで読めそうなヒエログリフの書かれたものを中心に何枚か撮ってきました。まずはこちら。

非常に読みやすいですね!(感動)
ヒエログリフの文字は数百種類あって形が似ているものも多いので、どの文字なのかはっきりわかる刻み方をしているものはとてもありがたいです。古代エジプト語学習者に優しい。

 

こちらは木棺の側面断片。文字自体は認識できるのですが、細かい上にところどころ消えてしまっているので初心者には厳しい。ところで上部のウラエウスとマアトの羽の紋様は(意味的に)良いですね。古代エジプトの葬祭感があります。趣深い。

 

古代エジプト語学習者に優しい!!!
文字はくっきり、基本に忠実な読みやすい字型。しかも隣に展示品の解説に加えて和訳があります。至れり尽くせり。素晴らしい……!
レリーフの隣に置いてある木彫りのカモは当時の世界観が伝わる良い展示品ですね。古代エジプトでは死者の魂もご飯を食べます。そして死後の世界でも楽しく生活したいという考え方が一般的で、ミイラ作りも手の込んだ葬祭や副葬品もそのための準備でした。

 

これは展示品の間に置いてあった、ミイラのアミュレット配置の図。ミイラを木棺に納めた後は、様々な悪しきものから守るために多くのアミュレットを置くものです。解説がなかったので実際に見つかったミイラの配置なのか、PLANとあるように現代人が作った配置案なのかはわかりませんでしたが、こうした資料はなかなか見ないので興味深い。ミイラが展示される際は、こうしたアミュレットは取り払われて配置が見学者にはわからなくなっている場合が大半ですから。

 

有翼スカラベの胸飾りです。良いですね、とても良い!しっかり命を守ってくれそうで、ぜひとも胸の上に置きたくなる造形です。おお、ケプリに守られんことを。

 

ちなみに私が行ったときはギャラリー内で古代エジプトタロット占いをやっていて、1回1000円で占ってもらえました。何が古代エジプトなのかよくわからないままカードを選んだのですが、開けた瞬間にイシスの子、天上の主、羽根輝かしき大いなるホルスと目が合ってわかりました。イラストのことですね。カードの解釈も古代エジプトっぽくやってもらえます。

本当はもっとじっくり見たかったのですが、ここで惜しくも閉館時間に。ショップで館長の論文を買えなかったのも心残りなので、近いうちに再訪しようと思います。
渋谷のおすすめスポットですよ!(ダイマ)

 

■おまけ:ベヌウという鳥

筆が遅すぎて、この記事を書いている間にジブリの新作が公開されてしまいました。そこで気になる話題を見かけたので少しだけおまけを。
「立ち上がるもの」ベヌウ(ベンヌ)、最近Twitterで話題になりました。映画館で見るまでは関連情報を見ないようにしているので詳しくは知りませんが、どうも映画と関係があると言われているようです。このベヌウ、古代エジプト神話に登場する鳥なので少し紹介しておきます。

まず前提として、古代エジプト神話というのは単一の神話体系ではありません。主要とされるものだけで3つの体系があり、それぞれ主神も創世神話も、地理的な中心地も異なります。昨今SNSでよく話題になるエジプト神話の紹介マンガなどは、大半が最も有名な神話体系であるヘリオポリス系神話を原典としています。太陽神を主神・創造神とする神話体系です。
ベヌウはこのヘリオポリス系神話に属する神話的存在。魂の象徴的なイメージであり、太陽をその卵から生み出した造物神として語られています。太陽の魂って聞くとちょっとかっこいいな。
また、死ののちに自らの力で再生を果たすことから死と再生のシンボルであり、同じように再生を果たしたいと願う死者たちの守り神です。古代エジプトの造物神らしく、「それ自身で創造されたもの」というわけです。後世ではギリシアにこの鳥の概念が伝わり、フェニックスになったと言われています。
なお、初期には鶺鴒(せきれい)として、その後は青鷺として描かれたそうです。映画に鶺鴒か青鷺が登場するんでしょうか?(薄目でしか見ないようにしているあのメインビジュアルが青鷺?)

さて、まだまだ語りたいところですが一晩(以上)かかってしまうので今回はこのあたりで。これを読んだ皆様も、いつかエジプト神話に興味を持つ日が来ますように!

 

めでたく終りとなった。
始めから終りまで、書き物として発見された通りである。